2019.11.19

旅と食

冬の北海道は、旅行者にとってとても魅力的な観光地となります。

その時期の北海道では観光を目的とする人だけではなく、その時期のその場所ならではのものに出会うことを目的として世界中からの訪問者を迎えることとなります。鳥をみるバードウォッチャーの方々やここでしか見ることの出来ない景色を永遠に残すための写真家の方々などです。

道東で迎えた写真家の方々の団体もその一つでした。スケジュールは写真一色で、観光や食事、買い物などを目的とする通常のツアーとは異なる、本当に写真好きの方々の団体でした。写真を撮るという目的に向かう姿は、戦士のように勇敢で勇しく、その中での私の役割は、いかに写真を撮るために満足な時間をツアーリーダーさん中心に参加された方々に味わっていただくかというものでした。

食事に関しても、普通、日本に来たら日本食を味わってみたいと思うかと思いますが、この団体の方々には、シーフードのアレルギーやベジタリアンに加えて他の食べられないものを持つ方もいらっしゃいました。道東の町では、どうしても避けられない夕食の日本食が続きうんざりした様子の時には、私の夫のイギリス人を思い浮かべ……そんな時の助け舟……….チップス(フライドポテト)や鹿肉などヨーロッパの人々にも好まれる食事を道東の町でも見つけることができ、食事も楽しんでいただけました。食事制限が多かった方のためには、できるだけシンプルな内容の食事をホテルの料理人の方にお願いして用意していただきました。日本食は手の込んだものが多く、時に難しいこともありましたが、トマト味だけのパスタを用意してくれた時にはとても喜んで食していただくことができました。

また、人気のあったお菓子にチョコパイがあったのですが、これは後に夫に聞いて分かったのですが、イギリスのwagon wheelsというお菓子に似ているとのこと。

お客様たちは日本での大発見のような感じでしたが…子供の時に食べていたものに似ていたからかもしれません。日本人が外国で日本食を旅行中に食べることがあるように、食に関しては現地のものと時々馴染みのあるものに近いものを食すると外国での滞在にストレスが軽減され良いのかもしれません。

すべてのことを満足してもらうのは、難しいですが、このような特別な目的がある旅は1番の目的(この旅は写真)と人間の基本的な欲求である食事を満たしていただくと笑顔の多い旅行になると改めて感じるツアーとなりました。

H.Green