2019.11.20

豊浦町でマレーシアのお客様と体験観光

「マイナーな観光地のユニークな観光資源」

豊浦町は噴火湾に面した人口4000人弱の小さな町です。漁業はホタテ養殖、農業はイチゴが有名です。ここから車で30分の洞爺湖と比べると、観光地というにはほど遠い感じがしますが、実はこの豊浦町は元ボクシングフライ級チャンピオン内藤大助さんの故郷でもあり、ユニークな観光資源が煌めいています。

「普通の北海道体験」

豊浦町を訪れたのは、マレーシアに住むおばあちゃん、子供、孫、三世代のお客様でした。前日に、北広島のクラッセスノーパークでスキーやスノーモービルを楽しまれた後、引き続き様々な体験観光をする予定でいらっしゃいました。

宿泊先は、船のようなユニークな外観の「天然豊浦温泉しおさい」でした。ここを拠点に豊浦、洞爺、黒松内を観光します。

豊浦町の観光は地域おこし協力隊のガイドさんに案内していただきました。まずは川の近くで路上駐車し、オジロワシの観察です。ガイドさんの話を中国語に訳しながら、山奥でもないのに、普通にオジロワシが見られるのはさすが北海道だと道産子の私まで感心していました。

この日は残念ながらしけのため漁がなく、見学予定だったセリが中止になりました。そこで、道内の工芸作家の作品を展示販売しているカフェすいしゃに立ち寄りました。水車公園は雪に覆われ、その中にポツンとあるカフェはなかなか風情があるのですが、お客様は雪野原に歓喜し、写真を撮りまくっていました。

「ホタテ釣り大会」

豊浦町では毎年、世界ホタテ釣り大会が行われ、水槽内のホタテを3分間でどれだけ多く釣れるかを競います。マレーシアのお客様も同じ方法でホタテ釣り大会を楽しみました。ホタテの口が開いた時にすかさず仕掛けを滑り込ませ、閉じた時にさっと釣り上げるという単純なゲームですが、思いのほか興奮します。どのホタテが先に開くかヤマをはって待っていると、別のホタテの口が開き、あわてて竿を移すと、閉じて間に合わず、悔しがる…。外野も「あそこ!」「竿上げて!」とセコンドさながらに指示を出します。

全員参加が原則ということで、バスの運転手さんも私も参戦しました。お付き合いのつもりが、いつの間にか夢中になっていました。もっとも1枚しか釣れず、最下位でしたが。最後に決勝戦を行い、優勝者は内藤大助選手のようにチャンピオンベルトをしめて、喝采を浴びました。

釣ったホタテは、通常ホテルのテラスでバーベキューにしていただきます。この日は寒風が吹きすさび凍えそうなので、スタッフの方々が外で焼いてくれたホタテ、トウモロコシ、シシャモ…などを室内でいただくことになりました。(スタッフの方々はもちろん寒風の中です。)炭火で焼いた海の幸、山の幸に舌鼓を打ちながら、今回の旅を早くも振り返っていらっしゃいました。

午後から洞爺湖へ遊びに行き、ホテルに戻ってからは温泉に浸かり、浴衣に着替え、ホタテ尽くしの夕食を召し上がって、長く楽しい一日が終わりました。

翌日は黒松内町へ赴き、雪の下のキャベツ掘り、餅つき、スノーモービルなどを体験しました。この話はまた別の機会に譲りましょう。

3日間の体験観光は私にとってハードな日程でしたが、持病のアトピー性皮膚炎は悪化するどころか、よくなり、「天然豊浦温泉しおさい」の湯の効能を体感しました。さあ、皆さんもぜひ私と一緒に豊浦へ行きましょう!

森若裕子