ラグジュアリークルーズ船で小樽にいらした富裕層のご夫婦をご案内した時の話です。
「ゆっくりと観光したい」というリクエストだったので、幾つか代表的なところを推薦し、直接ご相談して決めるという日程表でした。
当日お客様にお会いして要望を伺います。お二人で世界中を旅行されていますが、今回は奥様の希望なようです。「人混みを避けたい」、「ご主人は歩くのと高いところが苦手」を考慮し、宝島の担当者さん、ドライバーさんとも相談しながら、日程を組み替えました。車窓からの観光を中心にしてお買い物を加えました。もちろん、地元の美味しいレストランとビールというご希望も入れました。
小樽では「地元らしいところを」言われて祝津をご案内。ニシン御殿と青山別邸はあまり入場者がいないのを確認して奥様だけをご案内し、ご主人は外の景色を楽しんだり、ドライバーさんと車で歓談されました。ドライバーさんは英語が堪能なのでとても助かりました。
アイヌの話に興味を持たれたので、二風谷に行くために洞爺湖温泉泊をキャンセルして札幌を1日延長します。
2日目午前は二風谷に行き、次に札幌市内を車窓観光した後、ご主人はホテルで休息し、私は奥様のお買い物に同行しました。地下街のお店やLoftに入って日用雑貨やアメニティなどを買われました。
3日目はまず、奥様と大倉山ジャンプ台へリフトに乗り、ご主人も一緒にウィンタースポーツミュージアムを見学して、札幌ビール博物館のレストランでビールを楽しんでもらいました。ホテル到着後は、大量のお土産を東京の宿泊先に宅配便で送るお手伝いをしました。東京からスイスへはファーストクラスなので重量制限はないのですね。さすがにお金のある方は違います。
4日目は登別地獄谷、大湯沼、昭和新山、洞爺湖温泉を回って函館に入りました。途中でスーパーやホームセンターへ寄りました。奥様は日本製の商品や食材がお好きなので、レシピも紹介すると、カレールーや味噌など数種類購入されました。
5日目午前は五稜郭タワー。最初ご主人は敬遠されましたが、「上から見る五稜郭は見事です」とお勧めして一緒に昇りました。晴天にも助けられて、五稜郭や市内の眺めがきれいでした。昼食後に新函館北斗駅にお送りしてお別れしました。
ご主人は面白い方でいつもジョークを言っていらっしゃいました。奥様は以前、日用品の会社を経営されていて、「主人が高齢なので、今後どのくらい一緒に旅行できるか分からない。まだこうやって旅行できるのがうれしい。」とおっしゃっていました。
お2人から「ゆっくり観光できて、食べ物もビールを美味しくて、買い物ができてよかった」とコメントを頂きました。
佐川資子