2019.11.12

親戚のおじさんのように

マレーシアからのご家族十数名をご案内した時のこと。4歳から中学生まで、7名のお子さんはトマムでの初めてのスキーに大はしゃぎ。インストラクターはドイツ人のお兄さんで、楽しく盛り上げてくれる。始めはぎこちなかった子どもたちも、すぐに滑れるようになった。

そのうち、男の子の一人が、トイレに行きたいと言い出した。インストラクターは、Dadはいないの?と聞くが、周りにいるのはMomのみ。そこで近くにいた私がトイレに連れていくことになったが、スキー靴に慣れていない男の子は階段を降りられない。やむを得ず男の子を背負い(20kgくらい?)、よろよろトイレへと急ぐ。幸いにも、何とか間に合った!

また、一番小さかった4歳の男の子はある時、ダーッと私の方に走ってきて、ドン!とぶつかった後、クルッと後ろ向きになり、何かを待っている。ん?と思ったが、いわゆる“高い高い”をすると、大喜び。そうか、マレーシアの“高い高い”は逆向きにするのか。その後、1日に何回もそれをしてくるので、いささか腕が痛くなったが、まるで親戚の小さな子と遊んでいるような錯覚さえ覚えた。その子とは、トマムのシャトルバス内で私の膝の上で熟睡するくらい仲良しになった。

翌日、小学生の男の子達は、雪合戦に興じていたが、いわゆる粉雪のため、うまく雪玉が作れない。ふっふっふ、そんな時は手袋をはずし、素手で雪玉を作れば固まるのだよ。そうして作った雪玉を渡すと、男の子は目を丸くし、“You are professional! ”と絶賛されてしまった。いやあ、それほどでも、と思いつつ、子どもの頃の熱気を思い出した。この子たちにとっても、楽しい一コマになってくれればいいなあ。親戚のおじさんのように、お客様と一緒に楽しめたこのツアーは、自分自身にとっても良い思い出である。