2019.11.28

お客様の要求

お客様の中には理不尽なくらい要求の高い方がいらっしゃる場合もありますが、ドライバーさん、エージェントさん、ホテルスタッフの皆様等の協力を得ながら、ガイドは最大限対応しなければなりません。そんな一例をご紹介します。

どうやらお客様の中にかなりハイステイタスで難しい方がいらっしゃるらしい。。。ツアー開始前からこのようなエージェントからの情報が届き、戦々恐々としながらマレーシアとインドネシア混合の団体のお客様を迎えました。2ヶ国をまたいでビジネスをしている会社の皆様で、社長をされているお客様が噂の方らしい。マレーシアからツアーリーダーもついて来ているため、お客様との直接のやりとりはその彼が担当してくれましたが、空港を出る間際から早速難しいリクエストが。。。9時少し過ぎでしたが、小腹がすいているのでどこかで食べたい、でもコンビニはだめ、洋食もだめ、テーブルに座って食べたい。時間が時間なだけに空いている飲食店は限られ、24時間営業のファミレスも基本的に洋食だから使えず。ドライバーさんとあれこれ相談の上、最終的にイオンのフードコートのうどん屋さんがもう空いていることを突き止め、なんとか乗り切ります。

その日のランチは登別のわかさいも本舗の予定でしたが、事前予約していないとメニューが限られています。エージェントによると、事前予約することを持ちかけましたが、予約はNGだったとか。メニューの内容を改めてツアーリーダーに伝えると案の定、お客様には気に入っていただけなかったようでした。白老・登別エリアでは選択肢が限られる中、いくつか候補を挙げた結果、白老のカニ御殿に落ち着き、生きのいいカニやホタテやまぐろ等の海産物を注文して鍋やお刺身で楽しんでいただけました。

さて、その日のホテルは洞爺湖のウィンザーホテル。洞爺湖では唯一の五つ星ホテルなのが選択の理由だとか。それだけに、お客様のホテルに対する要求は当然高い。はたして、ハイステイタスのお客様が、部屋が暑いと言い出します。時期は季節の変わり目。ホテルはエアコンを切っており、部屋ごとにオンにすることはできない。窓は開かない構造。扇風機を用意しますがどうですか、と聞いても、五つ星のホテルでそんな対応では満足していただけません。エージェントに連絡しても何もできないのはわかっていますが、お客様が連絡することを要求されたので一応は形だけ電話します。対応できなければ、ホテルを変えるというほどの剣幕で、スイートルームのように広い部屋なら少し涼しいんじゃないか、見せてほしい、という要求も。そこで、同じ階の他の部屋でもう少し広い部屋が空いていることがわかり、そこを一応チェックしてみましょうということになります。実際行ってみるとお客様は少し涼しく感じられたようで、それに加え、たまたまその部屋が隣の部屋とconnecting roomになることが気に入り、奥様と共にそちらの2部屋に移動することになって、一件落着。綱渡りのような一日でした。その後も1週間近く続いたツアー。いろいろありましたがなんとか無事に終了し、満足して帰国していただけました。